目次と今月の作品


2019年3月号 NO.254


MICROSCOPIC&MACROSCOPIC
発展の可能性   堀江良子
〈15首詠〉 元井弘幸・矢島由美子
山下和夫の歌 『埴』1980年1月号より
〈作品Ⅰ㋑〉 小原起久子・関根さつき・宮澤 燁 ほか
〈作品Ⅰ㋺〉 菊地 葩・相良 峻・茂木タケ ほか
〈作品Ⅰ㋩〉 小澤嘉子・菊池悦子・﨑田ユミ ほか
山下和夫の歌57 小原起久子
ONE MORE ROOM
 山下和夫著 『現代短歌作品解析Ⅲより17[対象の人間化・擬人化]
短歌の作り方覚書「喩」のいろいろ(2) 堀江良子
〈3月集〉大場ヤス子・藤巻みや子
〈作品Ⅱ〉 秋山充利・石田春子・井口邦子 ほか
〈会友〉 井出尭之・川西富佐子・髙橋眞砂江 ほか
一首鑑賞 清水静子・田中理泉
〈特集〉 数詞のある歌について
 数詞の役割     江原幸子
 数詞の効用     西村英子
〈題詠〉鞄
一首鑑賞 板垣志津子・みたけもも
玉葉和歌集(抄)3 時緒翔子
『炎の女たち』古代編(27) 山下和夫著
ESSAY
 「ばうんど」とは 板垣志津子 
  思いを言葉に  菊池悦子 
  日記の思い出  江原由美子
ブログより 「こころに効く短歌」その9 小原起久子
ばうんど
11月号作品評
 作品Ⅰ評  宮澤 燁
 15首詠・月集評  明石美穂
 作品Ⅱ・題詠評 石川ひろ
山下和夫の�聾
編集後記
表紙絵 若山節子

会員作品
濃い青に赤い点々数多飛び秋晴れの日の玉入れは哀しい    元井弘幸
二度と同じ形に戻らぬ雲に似てやり直せない籠の中のインコ  矢島由美子
1980年埴1月号より
届かざる一夏の念(おも)い中空(なかぞら)に凌霄花(のうぜんかずら)散りはてにけり 山下和夫
作品Ⅰ㋑
去年(こぞ)に変わらず左右(さう)逆転を写しいる元朝の鏡にずいっと眉を 小原起久子
母子像の靜もりてあり あんなふうに胸乳に子を抱く杳かな昭和     関根さつき
大雪(ゆき)のバンゲアにいるごとく柳が白く息をしながら立っている  宮澤 燁
足場くむ音に耳栓さしこみて締切まえの机上を乱す           若山節子
入院の夫を乗せたる車椅子 エピローグの幕は上がれり         森 たま江
一筋の飛行機雲よ哀しむな君らもぼくも同じ分子だ           宮崎 弘
来年があると信じてわが服にしがみついてる草の実あまた        牧口靜江 
冬空の群青(あお)を切り裂く繊月(せんげつ)の疵よりワラワラ宇宙こぼれる 堀江良子  
笹の葉の裏ながめつつ秋風になだめる骨折せし脚急(せ)くな      佐藤和子
わが庭の銀杏の黄葉の散る瞬は夕陽に照りて影となりたり        江原幸子
床の間の百花瓶図に描かれし白き桔梗は香放ちいる           石川ひろ
作品 作品Ⅰ
橋脚をなぶるごとくの打つ波は聴けわたつみの遠きレクイエム      菊池 葩
鳩居堂に選びに選びし封筒と便箋封せるままにシュレッド        相良 峻
七、八、九秒針パッパッ移りゆき吾が残り世が削られている       茂木タケ
一人ゐて黙って幾日風見るか飲み残された炭酸透明           石井恵美子
退院の目処の立たない君のもとへ長袖パジャマと木犀の香と       赤石美穂
蝙蝠の飛び交う夕ぐれ残照は一人の老の爪先てらす           西村英子
作品Ⅰ㋩
廃線のアンケート乗せ軽やかに黄の車両は西日を走る          小澤嘉子
告別式に亡父(ちち)の頑固の裏の顔涙とまらぬ姉妹語れり       菊池悦子
青き実の小みかん朝日に実をさらす さらせずにいる小さなプライド   﨑田ユミ
しじみ蝶かそけき影をたづさへて秋の日射しを追いかくるかに      佐藤香林
念願のアサギマダラが我が家に来一人と一頭の一期一会         佐藤真理子
古城より笛の音流るる搦手の豌豆のつる天を泳げる           反町光子
神社に参拝してから舞ひ始むる式三番(しきさんば)に閃光の飛ぶ    坪井 功
ボールペンのインクはくっきり流れ良し夏の訪れはわが手元より     萩原教子
夜の明し厨に入れば木犀の香りあふれて鎮まらぬ朝           みたけもも
秋桜の群生の中一本の秋桜となりわれも吹かれる            三越誦子
リフォームを繰り返しゆきいつの間に畳の部屋は二つに減りぬ      天田勝元
標語大賞を告げる電話に深ぶかと頭を下げた初秋の朝          板垣志津子
カーテンを開けてくれたる介護士の明るい笑顔と差し込む朝陽      伊藤由美子
国道沿いの犬ふぐりの四時空色の朝霧まとう化粧の時間         今井五郎
秋風が絵筆となりて山染めるハラリ病葉足下に落つ           江原由美子
3月集
今治のタオルをおろしわれに言う仕舞っておかずに今朝から使おう    大場ヤス子
子に食わすサフランご飯炊かんかな篝火色の雌しべ摘む秋        藤巻みや子
作品Ⅱ
枯枝を分けて覗けば土鳩の雛巣にうずくまり微動だにせず        秋山充利 
彼岸花の赤一面の雨の中夫と歩めり心静かに              石田春子 
畑隅のコキアの点々紅色に転がりそうに秋風に揺れ           井口邦子
ゆくりなく強き香りに逢いし道木香薔薇に触れる夕暮          大川紀美枝
黄金の稲穂の海をコンバインぶれずに進み波を鎮める          久保田三重子
まだ咲くの厚着始めた秋の朝震えて見える花びら凍え          櫛毛宣幸
子どもらの神輿かつげる「ワッショイ」の声は男波となりて近づく    小曾根昌子
『滑走路』へ降り立つ君の歌はなく胸につかえる空の青さは       清水静子
小玉スイカの干したる種の温しこと引き出しに仕舞う夏の匂いも     田中理泉
上掛けの中に漂うわが体臭味方と嗅ぎつつ眠りゆきたり         茂木惠二
会友
流木の直撃受けた家の泥 一輪車押し出すボランティア         井出尭之
忙しく夏を過ごした自販機も売る物変えて彼岸花咲く          川西富佐子
台風の近づく頃は我が家族は皆低気圧になり時々いさかう        髙橋眞砂江
曼殊沙華天に向かって赤く咲く彼岸を告げるがごとく咲き継ぐ      中山幸枝
冬の陽は早々落ちて三日月を親しき友と眺めてみたき          肥田芳枝
お月さま あなたのところへお客様千億円で行きますからね       牧野八重子
題詠 [鞄] 
買ひ呉し皮の鞄のにほひ嗅ぐ高校生になるプライドありき        石井恵美子
欲しかった皮のカバンは寄る年に重たくなりてやはり布製        板垣志津子
満鉄の次兄より届く本革の赤いランドセル 國民学校          大場ヤス子
終戦の翌年男(お)の子の肩掛けのカバンは戦地に汚れたお古      佐藤和子
幼子が大きカバンを背負って行く暫時瞑想し持ってやりけり       坪井 功
うっすらと霜を被りしカラスウリ捨て置かれたるカバンを飾る      牧口靜江 

 


 

 

 


 



 















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