目次と今月の作品


2019年9月号 NO.257
〈MICROSCOPIC&MACROSCOPIC〉  パリ・コレと短歌   宮澤 燁
〈30首詠〉  宮澤 燁
〈15首詠〉  若山節子・今井五郎
山下和夫の歌 『埴』1980年9月号より
〈作品Ⅰ㋑〉 小原起久子・森 たま江・宮崎 弘 ほか
〈作品Ⅰ㋺〉 元井弘幸・菊地 葩・相良 峻   ほか
〈作品Ⅰ㋩〉 坪井 功・萩原教子・藤巻みや子  ほか
ONE MORE ROOM
山下和夫著 『現代短歌作品解析Ⅲより 20[背面空間の広がり・「に」の作用]
菊地 葩さんに捧ぐ 小原起久子
山下和夫の歌60  小原起久子
短歌の作り方覚書 重文・複文 堀江良子
一首鑑賞 藤巻みや子・小曾根昌子
〈9月集〉天田勝元・茂木惠二
〈作品Ⅱ〉石田春子・大川紀美枝・久保田三重子 ほか
〈会友〉井出尭之・川西冨佐子・髙橋眞砂江   ほか
〈特集〉戦争の歌について 
     戦後の第二芸術論から 小原起久子
 小原起久子       戦場詠について    佐藤和子
     銃後の護り      若山節子
     銃後では       板垣志津子
     戦争の歌       相良 峻
〈ESSAY〉未経験者の経験として 小原起久子
     復員兵        若山節子
     原子爆弾と風船爆弾  大場ヤス子
     蛙の解剖       板垣志津子    
〈題詠〉 道
春季歌会報告 佐藤香林
〈ESSAY〉
 武蔵の小京都小川  坪井 功
「心・技・体」    茂木惠二
玉葉和歌集(抄)6 時緒翔子
『炎の女たち』古代編(30) 山下和夫著
5月号作品評
 作品Ⅰ評     元井弘幸
 15首詠・月集評 佐藤真理子
 作品Ⅱ・題詠評 
ばうんど
編集後記
表紙絵 若山節子

会員作品
【30首詠】
めいはくに基地ある美ら島視んとしてまずまんまるのまなこを閉ざす  宮澤 燁
【15首詠】
新春に欠けゆくことの寂しさを堪えいるような部分日食         若山節子
滝壺のイオンいっぱい吸い込みぬ肺腑のスモッグ薄くなるまで     今井五郎
【山下和夫の歌】 1980年9月号より
風たちぬいざゆかめやもわが壮の乏しき莢実鳴りはじむなり       山下和夫
【作品Ⅰ㋑】
五月の女王・男爵様も同居して野菜ストッカーに満ちる華やぎ      小原起久子
元号の変わりたればの楽観にさくらはふふっと白き闇吐く        森 たま江
天災も人災もある列島をさくらざんせん黙示の行脚           宮崎 弘
空広く雲の影なし あれこれと詮索せぬ犬連れて晩年          牧口靜江 
ふり向けば通らなかった道光る その空にベガは激しく燃ゆるか     堀江良子  
うぐいすの声に見あぐる白梅のしだれる匂いに包まれてゆく       佐藤和子
春うらら気持もうららたそがれて吾が脳内の洞広まりぬ        江原幸子
甲子園の手に汗握る闘いに平和をかみしめ八月を生く         石川ひろ
品 【作品Ⅰ㋺】
昭和より売れぬ薬缶に令和のシール貼りいる商店街にも新時代     元井弘幸
老いしとう顔の面よりやってきて問答無用に皺む鳶尾(いちはつ)   菊池 葩
臥す母の手にと両掌(りょうて)にくるみたり春の薔薇(そうび)のみずみずしき芽を   相良 峻
脱皮せぬ蛇(へび)は死ぬかとトラウマの蛇(じゃ)は吾(あ)に巻きつき締めつけてくる 茂木タケ
黄緑の自転車「ラルゴ」 僕は君をいとほしめるか          石井恵美子
ばりばりとタイヤに踏みしだかれたる青き如雨露に繊月の光      赤石美穂
きれぎれの会話繋げんとして老年のキャッチボールのエラーは続く   西村英子
【作品Ⅰ㋩】
風わたる元荒川はとうとうと市街地を抜け浄土へ向かう        坪井 功
桜湯の香る客間に笑い声聞きつつ確かめるほのかな塩味        萩原教子
ダム底となりゆく草地に雛を呼びうろたえ走る鳥もあらんか      藤巻みや子
うつうつと積れる思い雪となり風に吹かれてランダムに舞う      みたけもも
こじれた風に長く臥れば四角の部屋が丸く迫りくる          三越誧子
戦場より戻りし軍馬「勝山号」いく年を経て狂ひ死にしとぞ      板垣志津子
「今何時」間を置かず問う盲目の老女には長きホームの一日         伊藤由美子
郡古山の和泉式部の供養塔尋ねて詠まん和歌の流れの             大場ヤス子
人の世はゆずり葉のようと孫を見る 母は火燵に背を丸め居し         菊池悦子   
身の裡までも眩しくなるごと立春の朝の白雲が反しくる光          﨑田ユミ
花荒らす鳥大らかに受け入れて天に波打つ古刹のさくら           佐藤香林
朔詩舎の皿に刷られし「旅上」の詩 壁一面の窓は青空           佐藤真理子
ビル風に煽られ小さき植え込みの中に咲きいる三色すみれ          反町光子 
【菊地 葩さん(2019年6月逝去)の歌】
2006年プログレス賞受賞作から
身の裡に凝るながやみ馴らし持ち雪の一塊天に放てり         菊地 葩 
【9月集】
帰れざる思ひは秘めて書きにしか戦地の手紙どれも明るし       天田勝元
朝光(あさかげ)のすべり込みたるカーテンと戸の間(ま)に温(ぬく)き帯の陽だまり 茂木惠二
【作品Ⅱ】
庭隅をあふれるほどに牡丹咲き草引く手にも力加わる         石田春子
真夜のおき消灯すれば水仙の新たな闇にきわだつ香り         大川紀美枝
用水路の水かさ増して春の陽を吸って吸われて何処へゆくや      久保田三重子
庭先に椅子持ち出して談笑す令和初日の老いし六人          清水静子
【会友】
林檎一個分けて食む人無き三時間南天の実を二羽が啄む        井出尭之
幼き日七不思議あり生き物がすべて泣きいる釈迦の涅槃図       川西冨佐子
早朝に小雀舞いおり落としたる小さなかなぶん路上に眠る       髙橋眞砂江
蕗の薹さがしかがめる林道にケンケン山鳥鳴いている午後       中山幸枝
ハンサムな見知らぬ人と語るわれ心躍るよ夢のひとこま        牧野八重子
【題詠「道」】
真白なるスカートなびかせ街の道ゆくなり四頭身のおみな児      相良 峻
田の中を広き道が完成す吾が住む町は拓けたのだろうか        江原幸子
ふるさとは遠くなりけり畦道に芹つみし日の草木瓜の花        板垣志津子
八十路きて険しき老いの道のぼる脳髄筋肉骨かばいつつ        大場ヤス子

 



 















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