目次と今月の作品


2019年7月号 NO.256
〈MICROSCOPIC&MACROSCOPIC〉  価値観   宮崎 弘
〈15首詠〉  佐藤和子・石川ひろ・みたけもも
山下和夫の歌 『埴』1980年7月号より
〈作品Ⅰ㋑〉 小原起久子・宮澤 燁・森 たま江 ほか
〈作品Ⅰ㋺〉 元井弘幸・菊地 葩・相良 峻   ほか
〈作品Ⅰ㋩〉 﨑田ユミ・佐藤香林・佐藤真理子  ほか
ONE MORE ROOM
 山下和夫著 『現代短歌作品解析Ⅲより19[オノマトペの不思議]
山下和夫の歌59 小原起久子
短歌の作り方覚書 句切れの位置について 堀江良子
一首鑑賞 久保田三重子・茂木惠二
歌会点描     相良 峻
〈7月集〉板垣志津子・菊池悦子
〈作品Ⅱ〉秋山充利・石田春子・大川紀美枝 ほか
〈会友〉川西冨佐子・髙橋眞砂江・中山幸枝 ほか
〈題詠〉 祭
「山下和夫の聾」
絵の歌について
 絵画と短歌  石井恵美子 
「絵」のうた  矢島由美子 
ブログより 「こころに効く短歌」その11(最終) 小原起久子
玉葉和歌集(抄)5 時緒翔子
『炎の女たち』古代編(29) 山下和夫著
3月号作品評
 作品Ⅰ評     相良 峻
 15首詠・月集評 牧口静江
 作品Ⅱ・題詠評  江原幸子
ばうんど
ESSAY 2019年3月「埴」誌から  大場ヤス子
編集後記
表紙絵 若山節子

会員作品
【15首詠】
われ五歳 霜月昭和十九年家族強制疎開をしたり             佐藤和子
脳腫瘍の診断受けしとの娘の知らせに一瞬世界がモノクロとなる    石川ひろ
人々が伽藍のような大広間に隙間もなく触れ合いている        みたけもも
【山下和夫の歌】 1980年7月号より
少年のまるきくるぶし過ぎゆけり野の風のむたさすらいやある      山下和夫
【作品Ⅰ㋑】
雲一つなきさびしさに環状列石の小さきを造り公園を辞す        小原起久子
空き缶の円周率のようである核廃棄物処理の議論は           宮澤 燁
何となく言いそびれたる一言が胸さわがせる友逝きし夜         若山節子
生きながらこの世はしだいに遠くなる悲鳴のような鵯(ひよどり)の鳴く 森 たま江
炎をまとい震えるように昇る太陽(ひ)に白衣観音も頬を染めたり    宮崎 弘
障壁を越えたつもりで極寒の庭へ生き出でしか土竜硬直         牧口靜江 
「一枚の落葉のかげ」にあるドラマを方代の眼となりて覗き見る     堀江良子  
道の端の枯草の間(ま)にやわらかな雨にぬれつつ地蔵は笑まう      江原幸子
品 【作品Ⅰ㋺】
〈蕗味噌をつくれ〉ともらいし蕗のとう盃傾ける仕草の老いに      元井弘幸
ねむるにも身を護る意図のありとしカニューラしかと胸に抱きぬ     菊池 葩
たゆき身をこらえて笑みしひとひらを遺してきみは供華となりぬ     相良 峻
息(こ)が注(つ)ぎてくるるキリンの「一番搾り」飯(いい)の合間にちびちびうまし 茂木タケ
蛇尾(じゃび)川を越えれば広い那須野が原 義母の介護へスイッチ入る 石井恵美子
眼裏に大観の「もみじ」を一杯のコーヒー啜る小春日の部屋       赤石美穂
楽らくと玄米炊き上ぐ炊飯器勝者のごとくブザー高鳴る         西村英子
【作品Ⅰ㋩】
お陽さまのにおいホッコリ潜り込む 初夢見んと娘・孫・ひ孫と      﨑田ユミ
過去世(かこぜ)より降りくる如きけふの雪 南天の実のくれなゐ著(しる)く 佐藤香林
わがうちの暗渠となせる杳い時間の波立っている 永のお別れ    佐藤真理子
初生りをようよう摘みぬ仏頭の螺髪(らはつ)のようなロマネスコなるを 反町光子
幼子らにカーネーション贈られてリハビリせねばと息深く吸う      坪井 功
大きくて科白のへたなジョンウェイン弱きを助く 息子よかくあれ    萩原教子
夫と父の理想の点と線の位置座標平面へ射影してみる          茂木惠二
手にとまるいまだ幼き蚊の姿潰せば赤き血の残りたり          天田勝元
昼下がり白き光の部屋にひとりつり橋渡る夢から覚める         井口邦子
杖無しで半分以上歩けたと息弾ませて君は告げ来る           伊藤由美子
猪のハガキを食べて古ぼけたポストに来たるあたらしき年        今井五郎
友の父の戦死は昭和十九年武勲をたたえ村葬に並びたり         大場ヤス子
花終えしシクラメンの葉百枚の確かな位置取り真似たきその「間(ま)」 小澤嘉子
離(さか)り住みてひとりひとり吾も子もストーブに青く火を燃やす頃  藤巻みや子
【7月集】
一行の楷書となりし親のため二行の楷書を書く墨をする         板垣志津子
大欅の枝春一番に煽られて右左(ひだりみぎ)する 雲掃くごとし    菊池 悦子
【作品Ⅱ】
一輪の真っ赤な椿咲き点り凍てつく朝を温めてくれる          秋山充利 
木枯らしの枯野に夕陽赤々と今日一日の喜びの色            石田春子
山頂へ行く嫁入りに降る日照雨(そばえ)伏見稲荷の続く鳥居に     大川紀美枝
冬去れど雪ふかぶかと谷川の山は輝きそらに壁立つ           櫛毛宣幸
慎重に石段上がる裳裾から見え隠れすると締まった足首         久保田三重子
平安の写経の文字は整いて部屋の空気を静かに圧す           清水静子
【会友】
親族の骨揚げ済めば素手のまま小ぶりの壺に急ぐ都の荼毘場       井出尭之
蝋梅の咲(ひら)きし枝に白鶺鴒(はくせきれい)朝焼けのなかスウィングしている  川西富佐子
スーパーの台にたっぷり並びいるみかんや柚子が我に香れる       髙橋眞砂江
朝の光に照らされてイチョウはイチョウの葉として芽吹く        中山幸枝
題詠 [祭り] 
祭壇に微笑む君は君でない本当の君は何処に行きたる          天田勝元
突然の風のいたづらおまつりに知らぬ同士が笑顔を交はす        板垣志津子
秋祭りのおこわあんころ腹みたし諏訪神社に遊びたり昭和        大場ヤス子
産土の神社の祭りはお札のみ赤き鳥居がぽつねんといる         西村英子
幼な児と御輿(みこし)につきそい歩む夜のシ・ア・ワ・セ色の満月   みたけもも
ひなまつりに子らに教えし折雛をしまいし箱より愛らしき声       森 たま江
夏祭踊りの輪の中二十才の我は黄金(こうこん)の帯高々結び      矢島由美子
赤いリボンと口紅つければたちまちに祭囃子の稚児となりたり      若山節子

 



 


 

 

 


 



 















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