2025年春季号 NO.279号
〈MICROSCOPIC&MACROSCOPIC
スマホ社会に思うこと 石川ひろ
〈15首詠〉 小原起久子・堀江良子
〈山下和夫の歌〉 1996年『埴』12月号より
〈作品Ⅰ㋑〉 宮澤 燁・宮崎 弘
牧口靜江・ほか
〈作品Ⅰ㋺〉 相良 峻・石井恵美子
赤石美穂・ほか
〈作品Ⅰ㋩〉 天田勝元・今井洋一
大場ヤス子・ほか
〈作品Ⅱ〉 渡邊香子
一首鑑賞 茂木惠二・天田勝元
ONE MORE ROOM 小原起久子
山下和夫著 『現代短歌作品解析Ⅲ』より
43【短歌における重文・複文・単文】
〈会友〉 板垣志津子・井出堯之
川西富佐子
〈まほろば集〉矢島由美子・菊池悦子
プログレス賞の紹介 佐藤真理子
第25回プログレス賞受賞作品
『地球(テラ)の裏側』 矢島由美子
同作品評 宮崎 弘
同作品評 堀江良子
〈題詠〉地球 大場ヤス子・菊内悦子・坪井 功
萩原教子・板垣志津子
短歌の作り方覚書 27
永い時間を詠う 堀江良子
玉葉和歌集(抄)28 時緒翔子
24年秋季号作品評
作品Ⅰ評 赤石美穂
15首詠・まほろば集評 清水静子
作品Ⅱ・題詠評 元井弘幸
ESSAY 短歌を10年 清水静子
新刊紹介
ばうんど
編集後記
表紙絵 山下和夫
会員作品(抄)
ふりがなは作者による。原文はルビ形式。
【15首詠】
スプーンの逆さのわれをこき交ぜて
朝のカップに始まる混沌 小原起久子
若者の服のうすもの地下街の夜に春の
重力は満ち 同
「無駄骨となりますように」春の昼防災グッズを
揃えておりぬ 堀江良子
春の雪花よりもなお霏々としてわが裡の洞(ほら)に
積りてゆきぬ 同
【山下和夫の歌】 1996年『埴』12月号より
君十九二十一知りそめし日の山査子の花咲きいるよ
山下和夫
藻の花を散らし超えたる初夏の白きくるぶし
いまもさゆらぐ 同
古代文字ヲシデとなれと交わしたる炎のごとき
梅咲きている 同
【作品Ⅰ㋑】
「虫食いのさくら落葉の穴の0(ゼロ)」Ⅰ(イチ)になれない
0(ゼロ)戦の0(ゼロ) 宮澤 燁
一八〇は超えてるだろうポニーテール背筋伸ばして
自転車を漕ぐ 宮崎 弘
拠り所なくてさ迷う蔓の先落輝を受けて
トンボが止る 牧口靜江
新じゃががほっこり煮えた今は亡き田舎育ちの
父母に会いたし 江原幸子
九十二歳の方を見習い梨狩りもバスの参加も
われは楽しむ 佐藤和子
捨てられし瀕死の子猫 猫好きの友にもらわれ
部屋跳びまわる 石川ひろ
兄ふたり膵臓病みて逝きにけり 夕べのロースかつに
脂滴る 元井弘幸
【作品Ⅰ㋺】
正月疲れの三種の神器だ みたらし団子と
餡の団子と濃き緑茶 相良 峻
蒼透ける盆灯篭の回りゆく父の魂
ゐるのかここに 石井恵美子
甲子園朝の号外受け取る息(こ)をイケメンに映す
春のテレビは 赤石美穂
春の雪温きひかりに露となり竹のしなりを
空に帰しぬ 今井五郎
二月尽鎖にかける釣釜の定まらぬ揺れ
春へのゆらぎ 佐藤真理子
【作品Ⅰ㋩】
柘植垣にからみつきたる烏瓜 蔓引き寄せれば
芋いできたる 天田勝元
十年後百名山を九座残し「よく登りし」と
隠れる私 今井洋一
子守して遊べば鬼に見つかって赤ん坊の小便
背中に染みた 大場ヤス子
燦々と光の中で揺れているむぎなでしこや
昔をつれて 﨑田ユミ
小鳥らの時折つつく柿の実を大方取れば灯(ひ)の
消えし空(くう)よ 佐藤香林
叱られて忍び足にて近寄るもわれを見ぬまま
雌の黒猫 清水静子
咲き登るほどに捩れをゆるやかに一本に立つ
捩摺(もじずり)の花 反町光子
次々と隣人が逝き呆然と回想しては深く黙する
坪井 功
励ますようにビオラ・水仙香り立つ闇夜の中にも
春はあふれて 萩原教子
真夜中の静けき中に小さき音響けりもしや
青き柿の実 茂木惠二
【作品Ⅱ】
書の大家となりし山本聿水(いっすい)先生の作品の
数々 筆の持ち方から丁寧に教わる 渡辺香子
【会友】
あけやらぬ空の牧場大群の羊はいまだ身動きをせず
板垣志津子
繁栄の中の没落人口の警報レベル加速して行く
井出堯之
涼求め二度上峠(にどあげとうげ)超えし先
北軽の地は人あふれている 川西富佐子
垂直に伸びたこれ良し箒草使うは後でもこもこ箒
土屋明美
富士山が雪化粧してうっすらと江戸時代の
浮世絵のよう 中山幸枝
真昼間のやわらかき湯に身を委ね鼻歌とまらぬ
嫁なるワタシ 牧野八重子
【まほろば集】 10首
花粉つれ黄砂ひきつれわが庭の花を咲かせて
春風のゆく 矢島由美子
暖かき日差しの中にゆるりいる春の訪れ
待ちわびながら 同
弟を見守(みも)ると隔日通いし道盆に通うは
遠き道なり 菊池悦子
仏壇の隅に見つけし宝籤逝きて三年送り火と焚く
同
【題詠 地球】
地球儀を初めて見た日のおどろきの地球は平らと
思ってたわたし 大場ヤス子
地平線見やれば丸い地球にて何時(いつ)まで戦う
隣国同士 菊池悦子
地球儀を幾度も廻し隔日に天変地異を静めんと
暫時黙する 坪井 功
「子は地球いや宇宙いちかわいい」という娘よ母は
今もそうだよ 萩原教子
小春日を浴びて園児の砂あそび地球のどこかで
銃はじけいる 板垣志津子
〈MICROSCOPIC&MACROSCOPIC
スマホ社会に思うこと 石川ひろ
〈15首詠〉 小原起久子・堀江良子
〈山下和夫の歌〉 1996年『埴』12月号より
〈作品Ⅰ㋑〉 宮澤 燁・宮崎 弘
牧口靜江・ほか
〈作品Ⅰ㋺〉 相良 峻・石井恵美子
赤石美穂・ほか
〈作品Ⅰ㋩〉 天田勝元・今井洋一
大場ヤス子・ほか
〈作品Ⅱ〉 渡邊香子
一首鑑賞 茂木惠二・天田勝元
ONE MORE ROOM 小原起久子
山下和夫著 『現代短歌作品解析Ⅲ』より
43【短歌における重文・複文・単文】
〈会友〉 板垣志津子・井出堯之
川西富佐子
〈まほろば集〉矢島由美子・菊池悦子
プログレス賞の紹介 佐藤真理子
第25回プログレス賞受賞作品
『地球(テラ)の裏側』 矢島由美子
同作品評 宮崎 弘
同作品評 堀江良子
〈題詠〉地球 大場ヤス子・菊内悦子・坪井 功
萩原教子・板垣志津子
短歌の作り方覚書 27
永い時間を詠う 堀江良子
玉葉和歌集(抄)28 時緒翔子
24年秋季号作品評
作品Ⅰ評 赤石美穂
15首詠・まほろば集評 清水静子
作品Ⅱ・題詠評 元井弘幸
ESSAY 短歌を10年 清水静子
新刊紹介
ばうんど
編集後記
表紙絵 山下和夫
会員作品(抄)
ふりがなは作者による。原文はルビ形式。
【15首詠】
スプーンの逆さのわれをこき交ぜて
朝のカップに始まる混沌 小原起久子
若者の服のうすもの地下街の夜に春の
重力は満ち 同
「無駄骨となりますように」春の昼防災グッズを
揃えておりぬ 堀江良子
春の雪花よりもなお霏々としてわが裡の洞(ほら)に
積りてゆきぬ 同
【山下和夫の歌】 1996年『埴』12月号より
君十九二十一知りそめし日の山査子の花咲きいるよ
山下和夫
藻の花を散らし超えたる初夏の白きくるぶし
いまもさゆらぐ 同
古代文字ヲシデとなれと交わしたる炎のごとき
梅咲きている 同
【作品Ⅰ㋑】
「虫食いのさくら落葉の穴の0(ゼロ)」Ⅰ(イチ)になれない
0(ゼロ)戦の0(ゼロ) 宮澤 燁
一八〇は超えてるだろうポニーテール背筋伸ばして
自転車を漕ぐ 宮崎 弘
拠り所なくてさ迷う蔓の先落輝を受けて
トンボが止る 牧口靜江
新じゃががほっこり煮えた今は亡き田舎育ちの
父母に会いたし 江原幸子
九十二歳の方を見習い梨狩りもバスの参加も
われは楽しむ 佐藤和子
捨てられし瀕死の子猫 猫好きの友にもらわれ
部屋跳びまわる 石川ひろ
兄ふたり膵臓病みて逝きにけり 夕べのロースかつに
脂滴る 元井弘幸
【作品Ⅰ㋺】
正月疲れの三種の神器だ みたらし団子と
餡の団子と濃き緑茶 相良 峻
蒼透ける盆灯篭の回りゆく父の魂
ゐるのかここに 石井恵美子
甲子園朝の号外受け取る息(こ)をイケメンに映す
春のテレビは 赤石美穂
春の雪温きひかりに露となり竹のしなりを
空に帰しぬ 今井五郎
二月尽鎖にかける釣釜の定まらぬ揺れ
春へのゆらぎ 佐藤真理子
【作品Ⅰ㋩】
柘植垣にからみつきたる烏瓜 蔓引き寄せれば
芋いできたる 天田勝元
十年後百名山を九座残し「よく登りし」と
隠れる私 今井洋一
子守して遊べば鬼に見つかって赤ん坊の小便
背中に染みた 大場ヤス子
燦々と光の中で揺れているむぎなでしこや
昔をつれて 﨑田ユミ
小鳥らの時折つつく柿の実を大方取れば灯(ひ)の
消えし空(くう)よ 佐藤香林
叱られて忍び足にて近寄るもわれを見ぬまま
雌の黒猫 清水静子
咲き登るほどに捩れをゆるやかに一本に立つ
捩摺(もじずり)の花 反町光子
次々と隣人が逝き呆然と回想しては深く黙する
坪井 功
励ますようにビオラ・水仙香り立つ闇夜の中にも
春はあふれて 萩原教子
真夜中の静けき中に小さき音響けりもしや
青き柿の実 茂木惠二
【作品Ⅱ】
書の大家となりし山本聿水(いっすい)先生の作品の
数々 筆の持ち方から丁寧に教わる 渡辺香子
【会友】
あけやらぬ空の牧場大群の羊はいまだ身動きをせず
板垣志津子
繁栄の中の没落人口の警報レベル加速して行く
井出堯之
涼求め二度上峠(にどあげとうげ)超えし先
北軽の地は人あふれている 川西富佐子
垂直に伸びたこれ良し箒草使うは後でもこもこ箒
土屋明美
富士山が雪化粧してうっすらと江戸時代の
浮世絵のよう 中山幸枝
真昼間のやわらかき湯に身を委ね鼻歌とまらぬ
嫁なるワタシ 牧野八重子
【まほろば集】 10首
花粉つれ黄砂ひきつれわが庭の花を咲かせて
春風のゆく 矢島由美子
暖かき日差しの中にゆるりいる春の訪れ
待ちわびながら 同
弟を見守(みも)ると隔日通いし道盆に通うは
遠き道なり 菊池悦子
仏壇の隅に見つけし宝籤逝きて三年送り火と焚く
同
【題詠 地球】
地球儀を初めて見た日のおどろきの地球は平らと
思ってたわたし 大場ヤス子
地平線見やれば丸い地球にて何時(いつ)まで戦う
隣国同士 菊池悦子
地球儀を幾度も廻し隔日に天変地異を静めんと
暫時黙する 坪井 功
「子は地球いや宇宙いちかわいい」という娘よ母は
今もそうだよ 萩原教子
小春日を浴びて園児の砂あそび地球のどこかで
銃はじけいる 板垣志津子